1.令和7年度 事業計画の基本的な考え方
(令和6年度の振り返り)
令和6年度は、新型コロナ禍からの本格的な復活に向けて当倶楽部の魅力と価値を高めるべく、公開講演会の回数を増やすなど倶楽部事業の質的・量的な充実を図るとともに、メールマガジンや館内におけるデジタルサイネージなどを新たに導入し、倶楽部行事や同好会活動等に関する情報発信を強化するなどにより、倶楽部の活用促進に努めてきた。
ホールや貸室、食堂の営業面では、お客さまのニーズを丁寧にお伺いし、それぞれのお客さまのニーズに対し、設備の充実を含めて柔軟に対応し、ご満足いただけるよう努めてきた。それにより顧客との関係構築を図り、新たな顧客の掘り起しと継続的、安定的なご利用につながるよう地道に努力を続けてきた
また、新規入会者の獲得については、機会あるごとに会員さまにもご紹介をお願いしているほか、新たな取組みとして会員外の方を対象とした「倶楽部館内見学ツアー」を実施した。
これらの取組みの結果、売上は一定程度回復し、同好会を通じた会員様からのご紹介により、新規入会者もあったが、それを上回る退会者があることから、会員の減少傾向は継続している。また、経費面では徹底したコストダウンに努め、機械警備の導入により24時間駐在警備を廃止し、委託費の削減を図ったものの、最低賃金の大幅引上げに伴い人件費支出が増加している。
以上から、令和6年度の収支は、当初予算計画から1千万円以上悪化し、収支差額は7千万円を超える赤字収支となった。この結果、令和6年度末の次期繰越金額は1億6千万円強に減少した。
(現状認識と今後の課題)
主な要因として、会費事業に関しては会員の高齢化の進展や法人会員の撤退、指名会員の削減の動きにより退会者数が入会者数を上回る状況が依然として続いていることが挙げられ、令和6年12月断面の会員数は1,387人まで減少している。これは最盛期の三分の二程度の水準であり、収入の柱となっている会費の減少が収支の圧迫要因となっている。
また、ホール・貸室、食堂事業に関しては令和6年度の収入は一定程度の回復が見られたものの計画額には及んでいない。環境変化として、新型コロナ禍を経験したことによりリモート対応が一般化するなどお客さま側の意識が大きく変わり、大人数が集まって集会と食事をするといった従来の当倶楽部が得意としていたご利用ニーズは、回復はしてきたもののコロナ禍以前と同水準までには至っていないことが挙げられる。
さらには、倶楽部食堂に関しては、コロナ禍以前は予約なしでご利用いただけていたものが、コロナ禍で完全予約制とした以降、体制面の制約により本来の姿に未だ戻せておらず、会員離れの一因にもなりつつある。
加えて、人件費や物価高が当倶楽部の収支に深刻な影響を及ぼしている。人件費は最低賃金の更なる大幅引上げに加え、退職者補充の要員確保のためには採用時賃金を従来の延長線上以上に引上げすることも不可避な状況である。また、その他経費も節減には努めているものの、全体として人件費、資機材等の諸物価高謄が収支を大きく悪化させている。
以上により、現在の当倶楽部の事業スキームにおいては、これ以上の収益改善は期待しにくい状況となっている。
令和7年度以降においても前年度同様の収支状況が継続するならば、手元資金の枯渇により持続的、安定的な事業継続が困難になることが想定されるため、今後は会費や各種料金の値上げ、あるいは当倶楽部の収支スキームを抜本的に見直すことも視野に入れて検討することが必要な状況にある。
2.令和7年度活動重点
(1) 倶楽部の魅力づくりと情報発信
・食堂・喫茶室の魅力向上
・貸室、ホール、共用設備等の倶楽部施設の整備と魅力の発信
・テナント、会員等、貸室利用顧客からのニーズ聴取
・メールマガジン・SNS・デジタルサイネージ等によるタイムリーな情報発信
(2) 会員内外に対する積極営業
・リピーター顧客のニーズ聴取を通じたサービスレベルの向上
・会員企業へのアプローチ営業(施設利用、新規会員紹介)
・離脱されている顧客へのアプローチ
(3) 収益基盤の改善
・会員拡大施策の検討、実施(入会特典の新設、会員企業との連繋)
・4階テナントフロアに拘らず入居者紹介施策の実施(会員企業との連携)
・収支スキームの抜本的な見直し および 会費・貸室料金、設備使用料等の見直し
令和7年度収支予算書
